洋画好きのえび

地獄先生ぬ〜べ〜 午前0時ぬ〜べ〜死す!の洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

3.6
またまた映画版ぬ〜べ〜です。アニメの方はちまちみ見ているので全話見終わったらレビューしようと思います。

本作は完全オリジナルストーリーなのですが、「鏡」と「ピエロ」という怖い要素のカップリングで子供心に死ぬほど怖かった思い出があります。たぶん、本作観賞の数年前にテレビ(たぶん木曜洋画劇場かな?)でティム・カリー版の「IT」を見てしまったのも理由の一つだと思いますが…

ぬ〜べ〜のクラスに転校生としてやって来た加賀美潤。親の仕事の都合で転校を繰り返して来た彼にはなかなか友達が出来ず、自宅で大好きなピエロのグッズを眺めたり、ピエロの絵が描かれた鏡に話しかけたりして寂しさを紛らわしていた。しかし、登校初日に大事にしていたピエロのブローチを同級生の勝に取られたり、誰かに靴に砂を入れられたりしたことから、潤はショックを受けて泣きながら帰宅する。自宅でも泣き続けていた潤だったが、その晩、自宅の鏡の中からピエロが話しかけて来た。そのピエロは、ピエロの仮面を潤に手渡し、この仮面を着ければ人気者になれると囁く。翌日、仮面の力で予知能力や高い身体能力を得た潤はクラスの人気者に。しかし、潤の予言はクラスメートの不幸にまつわるものが多く、しかも、予言の通りに不幸に遭遇したクラスメートは、口を揃えて「ピエロを見た」と証言するのだった…

ピエロ、やっぱり怖ぇ〜!!!このピエロの何が怖いって、ものすごく陰湿なんです。幻覚を見せたり、周到に準備して潤が自分の言いなりになるようなシチュエーションを作ったり、ぬ〜べ〜が大ショックを受ける&絶対負けるようなシチュエーションを考え出したり… 人間の醜いところを煮詰めました!みたいな本当にムカつくけど恐ろしいやつなんです。しかも演じるのはフリーザ様の中の人で有名な中尾降聖さんですから、演技も文句なしです。嫌らしい&恐ろしい最高の悪役に仕上がっております。このピエロ見たさに本作を観ていると言っても過言ではありませんね。ぜひ中尾ピエロの笑い声を聞いていただきたいです。
そして、押し付けがましくない描写でいじめを取り扱っているのも良いですね。潤を疑い疎外しようとし始める広たちですが、そこに一石を投じる役として、ぬ〜べ〜クラスではいじめっ子扱いされている勝が選ばれているのが良いな、と思いました。勝は普段の振る舞いに問題アリなキャラですが、ただの悪いやつとしては描かない点がぬ〜べ〜シリーズの良いところだと思います。

絶対に生徒を見捨てない&傷つけないぬ〜べ〜の姿に、やっぱりぬ〜べ〜は私の永遠のヒーローだな、と思った本作でした。