女優つながりのREDで思い出したついでに。本作はシアターで観たが、私の好みではないからカポーで鑑賞したはず。19でこれを観たがった彼女はナウい女だった一方で私は、こういう映画も観に行くことが、女と付き合うことなんだと一人で納得している若造だった。今ならバービーにつきあわされるようなものか?
なので映画が長くて、わからないことだらけでも気にならなかった。南部なまりの英語もあまり聞き取れず、現代パートと回想の区別もそこまでつかず、またナレーションって声だけだから、余計に聞き取れない(字幕はもちろんあったが)。曖昧な理解で終わったし、とにかく女はつらいよ、というイベントがたくさん起こる話だと思った。今はもっと面白さがわかる。REDと同じように、人をつなぐボンドの話なのだ。似てるけどパリタクシーのほうが断然、上である。これは映画のテクが進歩したからであって、私が男だからではないと思う。
あと失われゆくものに対する感度が上がってる。完全にノスタル爺である。抱けぇである。あと相方に死なれて慟哭する主人公に、黒人かジプシーの女が言う、Let it go, let it go, let it go...というセリフが印象的。
YouTubeに違法?アップされたやつがあるんだけど、これが面白くて、回想シーンだけに編集してある。一時間半。ただ、これだと音楽が楽しめない。
原作から色々変わっていて、現代パートの老婆は原作では別人らしい。レズの件も、友情でごまかされているが、はっきりレズの話にしたほうが、ただのフェミニズムではなくマイノリティの話としてまとまっただろう。溶け込めないからこそ、たくさんの牡蠣と自分だけの真珠の話になるのだから。例のゲイのカウボーイの映画のようには、時代が許さなかったんだろうか。
あと表題の食い物、昔は全然食べたいと思わなかったけど、うまそうだと思った。学生時代には、トマトに塩だけでビール飲んだりしなかったからだろう。