あつぼう

臨死のあつぼうのレビュー・感想・評価

臨死(2007年製作の映画)
3.1
成績優秀、人気者の高校生ニックは、不良グループリーダーの少女アニーに目をつけられる。ある日、警察が強盗事件の容疑者としてアニーのもとを訪れ、学校は騒然とする。警察にアニーのことを告げ口した人物と勘違いされたニックは、パーティの晩、アニーの逆恨みのために暴行を受け、森に置き去りにされる。瀕死の重傷を負ったニックが目覚めると、いつもと何か様子が違う。母親が自分の写真を見て泣いているのだ。友人に助けを求めて話かけても彼の前を素通りする…。驚くべきことに、ニックは臨死状態に陥っていたのだった。

この邦題からしても分かるように瀕死の重傷を負って臨死体験した若者の話です。
まず瀕死の重傷の原因にもなった暴行をしたアニーなんですが、やってる事が痛すぎです。自分の家庭にどんな不満があるか分からないけど、その矛先を他人に向けたらダメですよね。たまたまその矛先を向けられたニックは災難というしかないけど・・・。

ニックが臨死状態って事がこの映画のポイントで死んでしまうと消えてしまうんですよ。だから死ぬまでに誰かにどこかで瀕死の重傷を負った自分を探し出してほしいけど、だれも臨死状態の自分に気付かないってもどかしさがあります。声を出そうが触ろうとしても誰も気付かないけど、自分の寿命はジワジワと消えようとしてるんです。

正直この映画のストーリーだけを読んでると、自分をこんな目にあわせて相手に復讐する映画なんかなって思ってたけど、どちらかというとこの映画は赦しをテーマにしてるのかな。臨死状態になったからこそ見える世界があって、アニーの私生活もその一部です。
アニーを知ることによってニックの気持ちにも変化があらわれるけど、心が広いにもほどがありますよ。ここらへんが中途半端でいっその事、復讐をテーマにした方が面白かったと思いますよ。赦しをテーマにしたから、なんかラストの展開も無理矢理って感じやし、目の付け所が良かっただけに残念かな。
あつぼう

あつぼう