ウスバカゲソウ

将軍の娘/エリザベス・キャンベルのウスバカゲソウのレビュー・感想・評価

3.0
再見。
初見時はたしかトラボルタがスリラーでそれなりに成功していた記憶。
『シビル・アクション』とか。
軍事ミステリーだが全体的に軽い。
話はかなりハードなのだが。

原作がベストセラーらしく決して志が低いわけではない。
オープニングで流れるニーナ・シモンのリミックス(カバー?)が作品のテーマを暗示している。
このオープニングは良い。
台詞ですでにセクシズムへの言及があったり、社会問題への意識の高さはアメリカらしい。
そこでやはり引っ掛かるのが作品の軽さ。
トラボルタのキャラをはじめ画作りや演出が軽い。
ハイバジェットだし、サイモン・ウェストだしで重くはできない企画なんだろうけど。
全体的に90年代大作の軽さ。
冒頭のトラボルタのねじ込まれるアクションとかいかにも。
あとやはりセンセーショナルというか見世物感も違和感がある。
毒にも薬にもならないもどかしさ。
主人公のバディの活躍が救い。
行き当たりばったりで事件を解決する(ように見える)トラヴォルタより痛快だった。

湿度の高い南部の軍事基地や訓練場。
湿地帯。
ロケーションに魅力はある。
90年代大作の軽さも嫌いではないが、ノスタルジーで補えるような題材ではない。
見る側の意識が遥かに越えている。
酷い時代、酷いシステム、酷い思想。
果たして過去の話と言い切れるだろうか。