ニクガタナ

わが谷は緑なりきのニクガタナのレビュー・感想・評価

わが谷は緑なりき(1941年製作の映画)
3.6
全編回想で贈る末っ子少年目線の家族愛。19世紀末英国 ウェールズが舞台のアメリカ映画。42年の米アカデミー作品賞以下五冠受賞作。ロケ地はLAの渓谷に村のセット組んだって!すげー!しかしロケ地のせいかキャストのせいかぜんぜん英国に見えないのが難。子役一人で描き通すのは無理があると思うが主人公の男児が健気でかわいい。「フェイブルマンズ」を観て、ジョン・フォード監督作品が観てみたくなって初鑑賞。ついカット内の地平線がどこにあるか探してしまう。谷の高低差を活かしたアングルは流石に魅力的なものが多い。何かと合唱する市井の人々の日々の営みが面白い。和みとシリアスの緩急もよし。教会の卑屈な助祭や隣町の教師などクソはちゃんとクソらしく描かれ、色々感情持ってかれたので良い脚本。炭鉱夫ってのは落盤事故が伴う危険で大変な仕事なのね。割と重要なキャラが容赦なく亡くなり甘くない。恋愛模様も谷の噂や宗教倫理の壁に阻まれ甘くない。肝っ玉母さんの佇まいがリアル。
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