Mikiyoshi1986

マルコムXのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

マルコムX(1992年製作の映画)
4.2
戦後アメリカ社会における偉大な黒人公民権運動家の一人として、今なお絶大な人気を誇るマルコムX氏。

収監を機にハーレムのチンピラから改心し、急進的な黒人解放組織ネイション・オブ・イスラムのスポークスマンとして辣腕を振るい、そして脱退後の軋轢と暗殺に至るまで彼の半生を、
80~90年代を代表するアフロ・アメリカンの名匠スパイク・リー監督がソリッドなタッチで仕上げた伝記映画の傑作。

主演デンゼル・ワシントンの出世作でもあり、その重厚な演技でマルコムの実像を見事に体現した勇姿も大変見応えあるポイントです。

アメリカ社会で400年以上虐げられてきた黒人の為に、全身全霊で闘争を繰り広げてきたマルコム。
イスラム教への開眼と公民権の為には手段を選ばぬ強固な姿勢。
そこへ黒人解放への道筋を見いだしたマルコムの目には、志半ばにしてどんな未来が映っていたのでしょう。

ちなみに彼のチンピラ時代を観るたびにいつも「グッドフェローズ」を思い出しちゃうのは私だけでしょうか?

そして明日2月21日で、マルコムXが凶弾に倒れてからちょうど52年が経過します。
彼の精神は今もアフロ・アメリカンの心に根付き、今日のアメリカ社会を大きく発展させる礎となりました。
政界でもパウエル→ライス国務長官の就任だったり、初の黒人大統領オバマが誕生したりね。

しかしながら今年一転して、共和党の過激な排外ビジネスマンが一国の主となったアメリカ合衆国。
南北戦争以降のメルティングポッドたる全容と歴史を讃え、
自由と平和、そして平等が誇示されることを願い、ここにマルコムXの死を偲びます。
Mikiyoshi1986

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