福福吉吉

呪い村 436の福福吉吉のレビュー・感想・評価

呪い村 436(2006年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
国勢調査局のスティーブは調査のためにロックウェル・フォールズの町を訪れる。異様なまでにつきまとう住人たちの視線にスティーブは違和感を覚えるが、調査を進めていくうちにこの町の住人の人数が過去からずっと436人から変わっていないことに気づく。スティーブが町の異常さに気づいたとき、彼は既に町から逃れられない窮地に立たされていた。

◆感想◆
人口が436人から変わらない町に訪れた男を襲う理不尽な恐怖を描いた作品となっており、町の住人たちが男を袋小路に追い詰めていく人間的な恐怖を感じさせてくれました。

主人公のスティーブは国勢調査局の職員で仕事のためにロックウェル・フォールズに向かっていましたが、その途中で出会う人々が無視したり、引き返すことを進めたりして町の異常さを冒頭から感じさせていて不気味な雰囲気を醸し出していました。しかし、仕事のために行く必要のあったスティーブは町に訪れてしまいます。この成り行きも自然だったと思います。

しかし、スティーブが町に滞在すると、周囲の住人たちがスティーブの存在を知っていて、異様なほど絡んでくる。また、スティーブが住人に質問しても町長に聞くよう促される。スティーブに対する露骨な警戒心が現れていて、明るい町なのにどこか不愉快な雰囲気が出ていて良かったと思います。

ストーリー展開として、しばらくスティーブが町を散策して様々な住人たちと出会い、保安官のボビーと友達になったりしますが、後半を迎えると衝撃的な出来事が発生し、スティーブの危機感が異常なほど高まります。予想外とは言えませんが、その絵面の衝撃は凄まじくて、一気に緊迫感が上がって面白くなりました。

本作は直接的なホラー演出は少なく、澄ました顔をしながら狂気に満ちた行動をとる人の滲み出る怖さが恐怖の核となっています。その点、残酷な描写がほとんどないので観やすいと思います。

ラストは町の謎を残したまま、終焉を迎えましたが悪くはなかったと思います。

普通に面白かったと思います。集団心理の怖さを感じさせる作品でした。

鑑賞日:2024年2月28日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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