櫻イミト

田吾作ロイド一番槍の櫻イミトのレビュー・感想・評価

田吾作ロイド一番槍(1927年製作の映画)
3.5
三大喜劇王の一人ハロルド・ロイドの人気絶頂期の長編。「死ぬまでに観たい映画1001本」に掲載されている唯一のロイド作品。別題「キッド・ブラザー」。

アメリカ西部の保安官ヒッコリーの一家。三人兄弟の末っ子ハロルドは頼りなげな青年だったが、旅芸人一座の娘メアリーとの出会いに奮起して。。。

ドラマ性のある青春ラブコメディ。ロイドの代表作「要心無用」(1923)の”危険なビル登り”のような派手な見せ場はないのだが、のどかな笑いが随所に散りばめられた成長譚として良質の映画だと思う。恋する女性を木に登って見送るときのエレベーター効果や、馬車を追いかけるときのドリー撮影など、コメディ以外の部分でドラマティックなカメラワークを駆使しているのが印象深い。

三大喜劇王の中で現在での知名度は後れを取っているロイドだが、当時は他の2人をしのぐ人気だった。コメディアンというよりはユーモラスで好感度の高い青春スターとして支持されたのかもしれない。

※【田吾作】農民、または田舎の人をいやしめてよぶ語(!?)
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