きゅうげん

ハロウィン IIIのきゅうげんのレビュー・感想・評価

ハロウィン III(1982年製作の映画)
3.8
1&2前後編以後、“ハロウィン”をテーマとしたオムニバス化という横展開を目指したものの不発に終わり、結果的に他作品と無関係な独立をしてしまった三作目。

ハロウィンを目前に変死を遂げた玩具屋の店主。担当医と遺族の一人娘は真相究明のために、世界的おもちゃ会社のお膝元へ潜入するが、行く先々で謎の黒服集団が出現し……。
前作で匂わされていた要素をより前景化させ、ハロウィンの原型のひとつとされる古代ケルトにおけるサウィン(収穫祭・先祖祭)へ遡及する物語。
妖精の国アイルランドや古代の不思議ストーンヘンジに黒魔術的な動物たちなどから、ポリゴンショックや謎の破壊光線、意匠を凝らしたヒューマノイドまで、「なんでもござれ」なてんこ盛りホラーで意外と満腹。
終盤、“現代科学環状列石”による超常現象に巻き込まれるダン・オハーリーが最高です。

シリーズにおける微妙な位置付けのためにかえりみられることの少ない映画ですが、しかしコレはコレで魅力ある、カーペンターイズムを継承した80年代ホラーに仕上がっています。