みおこし

回転木馬のみおこしのレビュー・感想・評価

回転木馬(1955年製作の映画)
3.5
古典ミュージカルの名作。『メリーゴーランド』や『カルーセル』じゃなくて、あえてどストレートな漢字の邦題がまたレトロで好き(笑)。

回転木馬の呼び込みをしているビリーは、客だったジュリーを口説き恋に落ちるが、そのために仕事を解雇される。愛してはいるものの、なかなかその思いをうまく伝えられず時に粗暴な態度を取りつつも、妻が赤ちゃんを身ごもったことから使命感を抱いたビリーは資金稼ぎのために強盗を企てるが...。

びっくりするくらいビリーへの共感ができなかった!!なぜその発想になる?!と思わず突っ込みたくなる(笑)。クビになったのは仕方ないけれど、せめて強盗以外の手段があったのでは...と。
ジュリーが本当に天真爛漫で無垢な女の子なので、尚更かわいそうでかわいそうで。確かにビリーかっこいいけど、なぜ結婚してしまったんだー!!(怒)

ミュージカルとして名高い本作ですが、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世という黄金コンビによって手がけた作品の1つ。なので全体的に『オクラホマ!』『南太平洋』と雰囲気も楽曲もそっくりだったんですが、あまりにストーリーが異色なので個人的には3作の中で一番印象の強いミュージカルになりました。
まさか、まさかの展開。そしてラストはミュージカル史上に残る甘酸っぱさというか、切なさというか...。
楽曲も歌うシーンが多かったけれど、'June Is Bustin' Out All Over'の『ラ・ラ・ランド』を彷彿とさせるカラフルな衣装を身にまとった若者たちが踊るシーンが圧巻でした。ちょっと『ウエスト・サイド物語』っぽさもありつつ。
上裸で男たちが踊りまくるのはちょいと暑苦しかったけど...(笑)。

全体的にちょっと眠くなるところもあったけど、まさかのあの展開以降はすごく心が暖まって、観てよかったな〜と思える素敵な作品でした。
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