コーカサス

地獄への逆襲のコーカサスのレビュー・感想・評価

地獄への逆襲(1940年製作の映画)
3.4
地獄への道は逆襲へ―。

西部開拓時代に実在したジェシー・ジェームズの半生を描いた『地獄への道』の続編。

かつて仲間だったフォード兄弟の裏切りにより、背後から撃たれた弟ジェシーの仇を討つため、兄フランク(フォンダ) は復讐を誓う。

前作に続いてヘンリー・フォンダが兄フランクを演じ、監督はヘンリー・キングからフリッツ・ラングへとバトンタッチされたことで銃撃戦やアクションは控えめになるが、その分フォード兄弟への復讐と黒人使用人ピンキーの冤罪の間で揺れ動くフランクの心中や、コッブ (ハル) が活躍する陪審員制度、また当時の南軍帰還兵など、登場人物それぞれの心理描写が色濃く描かれている。

SF映画の原点にして頂点である『メトロポリス』や古典的傑作『M』で知られる巨匠ラングの手掛けた初の西部劇は、ドイツ出身ならではのある意味 “第三者的視点” から捉えた異色の西部劇かもしれない。

34 2021