ボグリアーノ監督長編デビュー作にしてこの出来は天才。この監督、ホラーのみならず映画全般に精通しているのではないだろうか。陰影のコントラストや、ショットやカット割のセンスが凄い。見方によってはアートハウス映画にすら思える。
全編モノクロ、しかもほぼ暗闇の中ライターで照らされた女の子の顔のクローズアップというワンシチュエーション。閉塞的な状況で随所に挟まれる殺人劇。相変わらずこの監督の撮る女の死体はエロい。頭部吹っ飛ばされた死体は興奮すらした。脳髄に直接訴えてくる厭な悪夢的描写の基盤はデビュー作から既に完成していたとは。感服。
ボグリアーノ、もっとチヤホヤされていいのでは。
