ベビーパウダー山崎

フライパン殺人のベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

フライパン殺人(1982年製作の映画)
3.5
スケベ目的の新聞広告に釣られた変態を真面目くさった夫婦が金のためフライパンで殺しまくる。巷に蔓延る肉体的欲望を毛嫌いするという名目でエロスを積極的に映し、アホな金持ちをうだつの上がらない庶民があっさり(適当に)殺し続ける。これは日々イライラと欲求溜め込んでいる俺たち社会的弱者を100満足させるための映画(最良の娯楽)。
道徳観にコスプレさせて犯すようなあえてのチープさはジョン・ウォーターズ映画っぽくも見えて、そういえばポール・バーテルはディヴァインで映画を撮っていたよなあとか思い出したりもした(『ラスト・イン・ザ・ダスト』)。ウォーホル組のメアリー・ウォロノフも輝いているし、悪趣味だけど下品じゃない。勘違いして洒落た映画にも見えたりするので、そのうちリバイバル上映とかヤりそうな気もする。