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プッシーキャッツのKKMXのレビュー・感想・評価

プッシーキャッツ(2001年製作の映画)
3.6
 2020年初頭から起きた新型コロナウィルスのパンデミックにより、多くのミュージシャンが命を落としました。個人的に残念だったのは、パワーポップバンド『ファウンテインズ・オブ・ウェイン』のアダム・シュレシンジャーの逝去でした。めちゃくちゃ好きなバンドではないのですが、妙に聴きたくなる瞬間のあるバンドで、どことなくグッと来ていたミュージシャンでした。チープトリックやレッドクロス等パワーポップは結構好きなので、パワーポップの要人が亡くなってしまったのは悲しいです。

 で、アダム追悼の記事か何かで本作の曲を書いていたことを知り、サントラ聴いたらめちゃツボだったため、せっかくだから鑑賞しました。DVDは1円で購入。そういうガーエーです。


 田舎の3ピースガールズバンド『プッシーキャッツ』はひょんなことからビッグレーベルのマネージャーにフックアップされて、あれよあれよという間にスターになりました。しかし、レーベル運営陣はある陰謀を仕組んでいた…という、ティーン向けのドタバタコメディです。


 もうちょい青春モノっぽいのかなぁと思いましたが、だいぶコメディです。元々、ハンナ・バーベラの古典アニメが原作なので、カートゥンなノリが随所に見られました。『チキチキマシン猛レース』とかに近いです。
 とはいえ、業界の『自分たちが流行をコントロールしてバンバン搾取しよう』という姿勢をモロに皮肉った設定は、ガキっぽいながらもそれなりの説得力は感じました。こういうノリは、YouTube全盛の現在はだいぶ廃れたように思います。現在の方が健全!
 キャラクターはギターボーカルのジョシーよりも、ドラムのメルが面白かったです。とにかくアホで細かいボケを丁寧にキメてくれるので好感を持ちました。元々ベジタリアンなのにすぐに洗脳されてマック好きになり、シャワールームにマックのロゴを貼りまくるとか。

 あと、飛行機事故に遭うボーイズグループのネタも笑った。彼らは生きていたんですけど、落ちたところがメタリカのライブ会場!当然ボーイズグループなので「ダーイ!ダーイ!」とクリーピングデスコールするメタルヘッズにアイアンフィストでボコられます。彼らがフィンランドのヴァイキング・メタルとかだったらその場でダブルヘッダーになってのに残念!しかし、リーダー格は『エンターサンドマン』の歌詞を覚えていたので軽症で済んだという…まぁ、サンドマンのサビの歌詞簡単ですからね。千代田生命に行こう!ちなみにジェイムズはボーイズグループ嫌いそうだけど、ラーズとカーク大先生はたぶん好きだぞ。メタルヘッズよそんなにボーイズグループを嫌わんでもよかろうに。とりあえずスレイヤーのライブじゃなくて良かったな!


 さて、アダムが書いた曲『Pretend To Be Nice』はプッシーキャッツの1stシングルとして本編で使用されます。キャッチーでいいですね!サビメロに泣きが入るので(3度メジャー)、歌謡曲っぽさもある。パワーポップ最高!

【Josie and the Pussycats / Pretend To Be Nice】
https://youtu.be/r23UjcdkdwM
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