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ぼくのバラ色の人生のkuuのレビュー・感想・評価

ぼくのバラ色の人生(1997年製作の映画)
3.6
『ぼくのバラ色の人生』
原題Ma vie en rose.

製作年1998年。上映時間88分。
フランス・ベルギー・イギリスのドラマ映画。監督は女の子になることを夢見る少年の姿を描いたハートフル・ロマン。監督は本作でデビューしたベルギーの新鋭アラン・ベルリネールで、脚本は彼とクリス・ヴァン・デル・スタッペン。
撮影はイヴ・カープ。音楽はドミニク・ダルカン。
出演は新人ジョルジュ・デ・フレネ、ジャン=フィリップ・エコフェ、ミッシェル・ラロックほか。

リュドビックは7歳の男の子。
彼の将来の夢は、かわいい女の子になることだった。
好きな男の子と結婚ごっこをしたり、着せ替え人形で遊んだりと、女の子を意識した遊びを繰り返す。
引越した先でリュドビックは、クリスティーナという女の子に出会う。
彼女は男顔負けのおてんば娘だった。

今作品は、微妙な議論を呼びそう~ぅなテーマを扱ってるし、見る人によっては不安になるかもしれへんけど、その一方で、甘美で純粋な感覚が映画全体に行き渡っているかな。
筋書きは、自分を少女だと信じている少年リュドヴィックが、郊外の中流階級でその人生/現実を生き抜こうとする中で遭遇する困難についてでした。ルドヴィックはゲイではなく、可愛いドレスや化粧、宝石、女の子らしい仕草などを通して、自分本来の女性らしさを表現しようとするんやけど、それは幼い子供が女の子はそうあるべきだと教えられてきたから。
アラン・ベルリネールの映画で触れられていることのひとつに、女性の商品化があるが、ルドヴィックが自分を女性の商品にしようとする少年であるという事実は、この映画のユーモラスな皮肉のひとつやと思います。
彼のアイドルであるバービー人形の夢のシーンは、この『見世物としての女性』や『パフォーマンスとしての女性』の問題を扱ってて、ルドヴィックが必然的にぶつかる暗い社会的現実を緩衝するために、映画に軽快で幻想的な感覚を与えている。
今作品の核心は、ジェンダーが社会の規範や慣習に対応するための単なるパフォーマンスであることを見事に描き出しており、ジェンダーのステレオタイプに対する批判。
ルドヴィックが選んだジェンダーの表現は、こうした社会の『規範』を反映しているが、彼が生物学的に男の子であることは、『男性』『女性』ちゅう概念が、まったく規範ではなく、むしろ私たちに課せられた厳格な分類や二元論のシステムであり、むしろ自分のアイデンティティを制限するものであることを示しているかな。
今作品には自然さと美的快楽があり、ルドヴィックがサテンのドレスとハイヒールを着て感じる自然さと気楽さをうまく表現してるかな。
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