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2つの頭脳を持つ男の一人旅のレビュー・感想・評価

2つの頭脳を持つ男(1983年製作の映画)
4.0
カール・ライナー監督作。

コメディの名手カール・ライナーとコメディアンのスティーヴ・マーティンが『天国から落ちた男』(1979)、『スティーブ・マーティンの四つ数えろ』(1982)に続き3回目のコンビを組んだホラーコメディで、生きた脳を愛する脳外科医が巻き起こす一連の騒動を描きます。

妻を亡くした天才脳外科医ハフハール博士は、交通事故がきっかけで出逢った女性ドロレスと再婚するが、彼女の強欲で性悪な本性に気づいたハフハール博士はマッドドクターの邸宅で出逢った心優しい女性の生きた“脳”と秘かに愛情を深めていく…という異色のホラーコメディで、悪妻に愛想を尽かせた脳外科医が“喋る脳”と相思相愛となり彼女に本物の人間の身体をプレゼントすべく奔走していく様子を不気味&キッチュなユーモア満載に描いていきます。人間は見た目以上に心の美しさが大切であることを、妖艶な肉体の性悪女と肉体を持たない心優しい脳との対比の中に浮かび上がらせています。

カール・ライナーお得意の、ストーリーとは無関係に放り込まれる多彩なギャグの応酬が馬鹿らしくて愉しいですし、本作の脚本にも携わった主演のスティーヴ・マーティンの芸達者な演技や悪妻役キャスリーン・ターナーの性悪な立ち回りもキャラが立っています。脳外科医が惚れ込む“美人脳”に声を当てるのは名女優シシー・スペイセク。
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