福福吉吉

バスケット・ケース3の福福吉吉のレビュー・感想・評価

バスケット・ケース3(1992年製作の映画)
3.0
恋人のスーザンを殺してしまった弟・ドゥエインは正気を失ってしまう。一方、兄・ベリアルの奇形の恋人・イブが身ごもったことが判明し、フリークス(※)仲間の協力の下、ルースの友人の医師ハルの下へ行き、出産の準備に入る。そんな中、ドゥエインの迂闊な行動によって警察が動き始める。

※フリークス…生まれつき異形の姿をもって生まれた者たち

前作「バスケットケース2」の続きです。

ベリアルとイブのフリークス同士の性交シーンから始まるという観ている側の頭の中を真っ白にしてくる展開に呆然とした。

それはさておき、本作では精神を病んでしまい、兄ベリアルを求めるようになった弟ドウェインが、フリークスの邪魔ものになっているストーリーになっており、ドウェインが完全に悪役のように見えます。そう見えてしまうほどフリークスの仲間たちが優しい世界を作っていて、ついつい「おのれノーマルな人間どもめ!」と感じるようになっていました。

ストーリーが進むとともにベリアルとドウェインに懸けられた賞金目当てに警察が動き始め、これも警察が悪のような描き方でノーマルの人間どものアブノーマルな行動が始まります。これは前作にもあったノーマルとフリークスのどちらをマイノリティと見るかというテーマに沿う内容だと思います(私の考えすぎかもしれませんが)。

そんな重々しいテーマはあくまでオマケであり、ベリアルとドウェインの破天荒な行動で笑い、やたらとノーマルに喧嘩腰なフリークスのリーダー、ルースおばさんの独特なノリを楽しむ作品だと思います。ラストもとても楽しかった。

真面目に観ると馬鹿げた作品ですが、私は面白かった。
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