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ケイゾク/映画 Beautiful Dreamerのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

4.0
数々の未解決事件の謎を解いてきた天才にして変人の警視庁キャリア・柴田(中谷美紀)は、古巣である捜査一課弐係に新係長として帰って来る。
そこへ、磯山章子(大河内奈々子)と名乗る女性が依頼に来る。章子の母・早苗は15年前に発生した第七神竜丸沈没事件の生存者で、事件で亡くなった霧島夫妻の遺族・七海から、小笠原諸島にある孤島・厄神島(やくじんしま)へ招待されたが、母を一人で行かせるのが不安なため警察に同行してほしいという。
厄神島は磁石も狂ってしまうといういわくつきの場所で、物が次々に消えてゆくという伝説がある島だった。
おりしも弐係に同様の招待状が届き、母に替わって島へ出発する章子に、柴田と彼女の相棒的存在である刑事・真山(渡部篤郎)がついて行くことになる。
7人の招待客と柴田らを迎えた美女・七海(小雪)は歓迎パーティーの席上、15年前の事件は招待客たちが霧島夫妻を見殺しにした殺人事件であると告発し、その罪を認めない彼らを一人一人殺していくと宣言する。
決定的な証拠を押さえられないまま次々に殺人は起こり、伝説のとおりに島から様々なものが消えて行く。
柴田は島を捜索しながら、真山に厄神島には黄泉の国の入り口があるという伝説を語り、死別した実の父に会ってみたいという。
その頃、東京では斑目と対決して爆死した壺坂の遺体が発見される。
それは真山の妹・沙織を自殺に追い込んだことから始まる真山との因縁を持ち、多くの人間の心を操って弄び、顔を変え他人になり替わっては凄惨な事件を起こしてきた宿敵・朝倉の復活を示唆するものだった。やがて七海は自殺死体となって発見される。
しかし事件には裏があると見て、推理の末全ての謎を解いた柴田は真犯人を追及するが、島に変動が起きて赤い霧とともに黄泉の国の入口が出現し、犯人は復活した桐島夫妻や七海と共に消えてしまう。
そして柴田は亡き実父・純成と親友・麻衣子の霊と再会する。
同じ頃に真山も妹の沙織と壺坂、斑目に殺された彩にも会う。真山は朝倉によって死者たちと永遠にひとつになれる世界へと誘われる。
しかし、それを拒絶した壺坂たちは真山に自分たちを撃つように言い、彼らは黄泉の国からも消える。
真山も朝倉とひとつになることを拒絶して銃を向け、純成たちも柴田に、彼女が一緒にいるべき人は他にいると告げて消えてしまう。
死者たちへの哀惜を乗り越えた2人は再び落ちあい、真山は小舟に柴田を載せて島から離れさせ、再び現れた朝倉と命を掛けた対決をする。
カルト的人気ドラマ「ケイゾク」の完結編。
前半の閉ざされた空間での連続殺人事件の謎解きはクラッシックな入れ替えすり替えトリックで惹きつけ、厄神島に黄泉の国の入口が出現してからの後半の展開は「新世紀エヴァンゲリオン」を彷彿とさせるアバンギャルドな展開で浅倉の正体がついに明かされ最終決戦が描かれる。
愛した人と死に別れた時にどうすべきか?死とは?生きるとは?考えさせながらピュアな愛が伝わるラストでした。

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