horahuki

暴行魔ゴリラーのhorahukiのレビュー・感想・評価

暴行魔ゴリラー(1969年製作の映画)
3.5
不幸で悲しいお話。

白血病の息子を救うためにゴリラの心臓を移植🤔→息子がゴリラ化して大暴れするというどんな原理で何が起こっているのかサッパリなまま突き進むメキシコ産謎ホラー。しかも、再度人間の心臓を移植すればゴリラから人間に戻れるとか謎を謎のままに更に謎を重ね掛けする剛腕ぷりに感服!でも割と好き。

とにかくゴリラ人間がブサイク!🤣ゴリラ化するとは言っても顔だけで、人間の体にゴリラの顔が乗っかっているというシュールな造形。『獣人島』とか『残酷の人獣』とか、人-獣の中間にあって中途半端であることが意味をなした半人半獣ではなく、このマヌケな姿が完成形なわけだから、いくら白血病が治ったとはいえ何か可哀想😭

イマイチ何の意味があったのかわかんない女子ルチャリブレをガッツリと(しかも3回くらい)見せつけてくるのも流石のメキシコ映画感あってサイコー!最強選手でありながら、他の女子選手を場外に投げ飛ばしたせいで頭蓋骨骨折させてしまい罪悪感に苛まれ不調に陥る女子選手…とかいう如何にも映画の主軸になりそう設定を冒頭で出しながら、それ以降その女子選手ほぼ出てこないという…😅罪悪感から立ち直って最終的にゴリラに素手で挑む!的な激アツ展開になるのかと思ってたのに!

殺害シーンは割と豊富でスプラッターは強め。頭を素手で引っこ抜いたり、指で眼球ぶっ壊したり、地味ではありながらもパワー系なことを活かしたアイデアを幾つか仕込んでる感じ。ゴリラの心臓移植シーンにやたらと力入ってて、鼓動を打つ心臓が異様なほど生々しいな…と思ってたら実際の心臓移植映像が使われてたみたい😂

本作はメンデス『獣人ゴリラ男』、自身の作品『Doctor of Doom』(両方とも未見)のリメイク作らしい。子どものことを思うあまりに暴走するマッドドクターな父親は『顔のない眼』からの影響もありそうか気がする。それまでの抑圧からの解放としてゴリラを顕現させたかのようなフロイト的な殺人鬼っぽく最初の方は見えていたのに、とにかく殺っちゃえ♪っ感じで見境無くなっていくのはちょっとガッカリだった😂
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