それは家族で食卓を囲んでいた時のこと
小学生の長男「ねえ、お父さん」
味噌汁をすする私「ん?ズズズズ…」
長男「アバズレって、どういう意味?」
私「ブフォオ!」(味噌汁ふいた。ワカメ飛んだ)
妻「んー…だらしない女の人のことかな?」
長男「ふうん」
私「ゲホッゲホッ、そ、そんな言葉、いったいどこで覚えたっ!!」
長男「鬼滅の刃」
た、確かに!上弦の鬼がそんなこと言ってた!!上弦の肆がアバズレ言ってた!!!
鬼め!吸血の鬼め!!
ぐぬぬぬ…
悪鬼滅殺
実生活でも吸血鬼に悩まされています。
1940年代
それは戦時中ってこともあってかどうか分かりませんが、吸血映画が極端に少ない。吸血業界にとって不遇の時代です。フランケンシュタインや狼男はあるんですけどね。あとミイラ男も。
ユニバーサルスタジオによるドラキュラシリーズ第三弾『夜の悪魔』(1943)
ベラルゴシ主演の『吸血鬼蘇る』(1944)
どうやったら観られるのか分からないショートフィルム『吸血コウモリ』(1945)なんてのもあります。そんな中で私が選んだのはこれ
『吸血鬼ボボラカ』
それにしてもボボラカて…
世の中には色んな吸血鬼がいるんですね。『吸血鬼ブラキュラ』とか『吸血鬼ヨーガ伯爵』とか。後家さんが血みどろになるみたいなのを勝手にイメージしてる『吸血鬼ゴケミドロ』など。まあいっぱいいてもいいか、吸血鬼。楽しいし。
『吸血鬼ボボラカ』の主演は、ボリスカーロフ。ミスターフランケンシュタインか。なるほど雰囲気出てる。
ボリス閣下「俺は他の人間と違っているのかな?」
ご自分ではお気づきになっておられないようですが、立ってるだけで怪奇ホラーの気配が漂ってますよ閣下
伝染病が蔓延する館
呪われた島
誰一人、この島を出ることは許さん
なにせ閣下には守らねばならぬ大勢の命があるのだから
人が次々と死んでいく
伝染病に倒れていく
伝染病、速効性能すごすぎて何もできやしない
もう祈ることしかできない
そんな中でも不吉なキエーラが怖い。まるで魔女みたいな彼女の言葉が、呪いの言葉が、トゲのように刺さってはゆっくりとゆっくりと、心を蝕んでいく。
怪奇の手洗いも怪奇のヒラヒラも雰囲気出てました。あれはケルベロスかな?いい味出てた。うん、いいね。いいよ。
最後までボボラカ出てこないって前情報を、ついうっかり見ちゃったけど、いつか出てくる気がしてならない吸血鬼ボボラカ。
吸血鬼って劇中の字幕で見た記憶がないボボラカ。本当に吸血鬼なのかボボラカ。単なる迷信なんじゃないのかボボラカ。果たしてほんとうに出てこないのか、それとも間違って出てきちゃうのか…う~んもう、じれったい。じれったい。いくつに見えても私誰でも。じれったい。じれったい。私は私よ関係ないわー。特別じゃないどこにもいるわワーターシー、ボーボラーカー♪
もうそこら中にいる。
ボボラカ、ボボラカ、ボボラカ…
なにこの精神攻撃
ボボラカ、ボボラカ…
これはキツい
ボボラカ、ボボラカ…
もうやめたげてーーーー
シアの魂が、恐怖のべリードアライブが、猜疑心渦巻くラストの攻防に思わず魅入ってしまいました。
ボボラカは、心の闇に巣くってましたよ。疑心暗鬼という名の鬼が、吸血の鬼が、目には見えてないだけでずっと出て来てましたよ。
(でもやっぱり吸血鬼じゃないなこれ)