とらお

天使といた夏のとらおのレビュー・感想・評価

天使といた夏(2000年製作の映画)
3.2
故David Bowie氏が難病を患う主人公オーウェン少年の特別な友人ウィリアム・ライス氏を演じた、現実とお伽話の狭間にあるようなふわっとした成長物語。大作でも傑作ではないけれど、やわらかな優しさが物語全体を包むファンタジー。ケルト的な環状紋様がライス氏の象徴として登場し、彼は天使というよりも古の魔法使いのよう。作品云々より、Bowieを失った今となっては彼の存在が私たちにとってライス氏のようであったと、彼が遺した全てが魔法のようだったと、そんな風に感じてしまう。ライス氏の登場シーンはごくわずか。黄昏時に神秘を感じ、輪廻転生を信じるケルトの価値観を思うと、きっとまた逢えるような気がする。
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