鰹よろし

9INE ナインの鰹よろしのレビュー・感想・評価

9INE ナイン(2009年製作の映画)
1.5
 これから行われようとするデスゲームの犯人と思しきおそらく男性だろう人物が、コンクリート打ちっぱなしの閉塞感漂うお部屋で入念な準備を行い、参加者9人を自らの手で集めていくところから作品は始まる。

 世間では連続拉致事件として話題となり、被害者たちに共通点は無いとの見解が示される。しかし男は集められた9人には共通の理由があり、その理由を9人で考えろと告げる。その答えがわかれば解放し、わからなければ10分ごとに1人ずつ殺していくという。人種、性別、性格、嗜好、職業の異なる9人にどんな繋がりがあるのか? ゲームスタート...

 各々の口から語られる一見関連性の無い事象の数々に繋がりが見出されていき、またそれが反転していく様に爽快感が無いのと、逆恨みとさえ思えてしまうのがしんどいが・・・

 その理由とは、9人それぞれにとっては有象無象のモノであり、9人揃ったことでやっと繋がるモノ。またその事実は今回の事件が無ければ繋がらなかったモノであり、明かされることはなかったモノ。さらに言ってしまえば犯人の計画に無いイレギュラーが無ければ到達できなかったモノであるとし、

 また、監禁部屋の様子を監視していたモニターの電源が最後切られており、結末が記録ないし中継はされておらず、その顛末を知るモノが生存者のみとなった、ということで念を押しての、

 忘れられていた、いや見向きもされず気にも留められず明かされることのなかった真実を、他人に語ることのできない秘密をどのように受け止め、またこれから何と向き合い何を抱え生きていくべきなのか?、というのが問いたいところなのだろう。・・・か?


「SAW」シリーズ...「Miss ライアー」(2017)...「フィードバック」(2019)...
鰹よろし

鰹よろし