NoAceJustYou

11:46のNoAceJustYouのレビュー・感想・評価

11:46(2006年製作の映画)
4.0
2022/09/23鑑賞。80点。
地下鉄を舞台に、乗客vsハルマゲドンを信じるカルト教団【希望の声】の戦いが描かれた作品。
実はとてつもない名作で、伏線回収がしっかりとされているが、それに気づいてもらえないためクソ映画扱いされている。
地下鉄で起きた事件の原因は、幻覚作用の入ったマフィンを食べたことによる混乱及び集団ヒステリーである。というのも、悪魔の姿を見たのはマフィンを食べた登場人物だけ。そのため、作中内の悪魔は全て幻覚で、ハルマゲドンも起きていない。
強いて言うなら、ハルマゲドンとは【希望の声】による殺戮を指すのだろう。
女に飢えた童貞パトリックを演じたのはクエンティン・タランティーノそっくりの俳優。タランティーノといえば時系列トリックだが、この作品にも時系列トリックがある。冒頭のシャワーを浴びるシーンは、時系列で言うとエンディングの後を描いている。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
看護師のカレンは、自分が担当していた患者が地下鉄で飛び込み自殺をしたと知って落ち込んでいる。

帰宅のため地下鉄に乗ったカレンは気味の悪い男・パトリックにナンパされるが、偶然そばにいたマイクという男性に救われる。
ベティという老婆に話しかけられるカレンとマイク。
ベティは、持っていたポケベルが鳴ると豹変し、短剣でマイクの背中を刺してくる。

一方別の車両ではパトリックがアジア系の女性・ジュリーをレイプしようと襲いかかり、地下鉄の緊急停止ボタンを押してしまう。

地下鉄が止まったことで車掌が点検のために各車両を確認して回る中、同じ地下鉄に乗る数名の乗客のポケベルが鳴り始める。
ポケベルの持ち主たちは【希望の声】と呼ばれる新興宗教団体の信者で、短剣を持って乗客を襲う。
【希望の声】は、ハルマゲドンが起きること、そのハルマゲドンによって悪魔が地上に現れると信じていた。
【希望の声】の目的は、悪魔に殺される前に人々を殺して救済することだった。

カレンとマイクは、ジュリーや高校生カップルのジョンとサラ、ニールという男性と一緒に地下鉄から降り、地下鉄職員のデイヴィスとフランキーに助けられて職員用の部屋に立て籠もる。
しかし、【希望の声】の襲撃によってデイヴィスは命を落とす。実はフランキーも【希望の声】の信者だったが、信仰心がないことから仲間たちに処刑される。

ニールの提案により、脱出のために出入り口を目指すことに。
その道中、ジョンは【希望の声】の信者である少年に襲われて誤って殺してしまい、少年の弟に報復を受ける。
負傷したジョンを地下鉄の管理室に運んだところ、変質者のパトリックが先にいた。
パトリックも【希望の声】の信者であり、カレンたちは彼のことを縛り上げる。
サラは負傷したジョンのそばに残り、パトリックを監視することに。

その頃、出口を目指すカレン、マイク、ニール、ジュリーの4人だったが、【希望の声】の信者に襲われてマイクが脚をナイフで刺されてしまう。

ニールは助けを呼ぶために1人で地上に向かうが、外の世界はハルマゲドンを迎えており、【希望の声】の信者による虐殺が行われていた。
ニールは、背後から静かに近づいてきたベティに刺し殺される。

一方、負傷したマイクと一緒に行動するカレンとジュリーだったが、【希望の声】の信者たちに追われて離れ離れになる。

ジュリーを追ってきた【希望の声】の信者たち4人のポケベルが鳴る。
彼らはジュリーを追い詰めたにもかかわらず、武器を下ろすと4人は服毒自殺を図る。

マイクは怪我をした脚を引き摺りながら脱出を試みるが、彼の前に悪魔が現れる。

カレンは暗がりに身を隠すものの、パトリックに見つかってしまう。
パトリックは、カレンをレイプするつもりだったが、戻ってきたベティに邪魔されそうになり彼女を殺害。
カレンとパトリックは揉み合いとなり、最後はカレンが短剣で彼を突き刺す。
そして、カレンの目の前にも悪魔が現れEND。
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