SunO2

エヴァグレイズを渡る風のSunO2のレビュー・感想・評価

エヴァグレイズを渡る風(1958年製作の映画)
4.5
フロリダ自然保護区(湿地帯)の密猟一家VS鳥類学者の青年。密猟者が絶対悪なのでは無く消費する社会ありきで...はともかく対立する者達が争ったまま、なし崩し的に奇妙に和解していく様が如何にもこの監督らしい。雨に風に雷で誰も彼もがドロドロ。一家で繰り出す小型船の娼館(?)ステキ。一瞬だけだがビーチのシーンが華やかでロマンスも。町のバーではジャズシンガーがイイ声で弾き語り、密猟一家にもギター爪弾くヤツがいて。ワニと蛇とシラサギで溢れるジャングルの奥地。監督が脚本家&プロデューサーと揉めて途中降板したらしく、編集権も放棄。その時の彼女が三度自殺未遂、役者とも上手くいかず、アルコールと薬物中毒で満身創痍のニコラス・レイ。踏んだり蹴ったり(というか踏まれたり蹴られたり)がそのまま反映した歪なフィルム。倒れた男前ナメで呆然と立ち去る主人公を捉えたラストショットは何とも言えぬ無力感。
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