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ナーズの復讐/集結!恐怖のオチコボレ軍団のchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

3.5
大学に入学したピカピカの一年生のオタクたちが、スポーツマンの上級生をギャフンと言わせる「オタクの逆襲」。愛らしい主人公二人にアホでゆる~い大学生活。公開当時はおバカ映画で済まされていたものの、時代を経るにつれて賛否が割れるようになった作品です。先月レビューした「アニマル・ハウス」から影響を受け、後の「アメリカン・パイ」に影響を与えたと言われていますが、今見返すと本作と同じく長期シリーズ化される人気を誇りながらも批判を受けることが多いTVコメディ「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」そのままだ!

相当なおふざけ映画でハチャメチャな場面が続くのですが、それらの各エピソードが単に大学生のアホ生活を描いているのではなく、実はしっかり大人の世界に存在する様々な社会・政治問題を反映したものになっており、本作の賞賛組のレビューが「賢い作品」「実に巧妙だ」と指摘するのも納得です。ラストのスピーチで本作をマイノリティの代弁としてまとめるのも上手いと思う一方で、「プライド」の表現やクイーンを持ってくるところなど若干これ見よがしというか、あざといなとも感じました。

度々問題視される盗撮とレイプのシーンはやっぱりドン引き... それぞれ、東西冷戦、ルッキズムを反映しているのはわかるけど、倫理的に問題な上に、オタクを気持ちが悪く危ない存在として強調してしまっています。表面上はオタクをヒーローに仕立て応援しているようにみえて、実際にはオタクに対するステレオタイプを強化し、彼らを自分を卑下しながら生きなければならない存在として描いている。これは前述の「ビッグバン★セオリー」が批判される理由と同じです。

「ビッグバン★セオリー」がらみで続けると、ルイスがレナード、ギルバートがシェルドン、ジュディがエイミーで、ベティがペニー。脇役も含めてまだまだあの人がこの人と続けられるし、出てくるモチーフやエピソード、人物相関もそっくり。ドラマのファンの方はそんな視点でみてみるとおもしろいかも!
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