YYamada

グラディエーターのYYamadaのレビュー・感想・評価

グラディエーター(2000年製作の映画)
3.6
【戴冠!アカデミー作品賞】
第73回 (2000) アカデミー5部門受賞
(作品/主演男優/衣裳デザイン/
 録音/視覚効果)

①スペクタクル!
・時は西暦2世紀後半の帝政ローマ。
・第16代の老帝アウレリウスと、策謀に長けた皇太子コモドゥスに確執に巻き込まれた将軍マキシマスは、家族の処刑や自らも奴隷に転落するが、17代皇帝となったコモドゥスへ復讐のため、グラディエーター(剣闘士)として名を上げていく。
・冒頭の帝政ローマ軍の戦勝シーンの大迫力、CGにてリアルに再現されたコロッセオでの生死をかけた剣闘は、まさに進化した『ベンハー』。
・本作の大ヒットにより『トロイ』『キングアーサー』『300 スリーハンドレッド』などの史実に基づくスペクタクル作品が多数作られるようになった。

②史実とフィクションのバランス
・ラッセル・クロウ扮する帝政ローマのマキシマス将軍は架空の人物。
・コモドゥスとマキシマスの決闘シーンはもとより、ラストで描かれたローマの安定の予見に対して、史実では、むしろ「パックスロマーナ(ローマの平和)」が終わり「軍人皇帝時代の幕開け」にて混迷期に入るのが一般的な解釈。史実とは真逆である。
・「フィクションだから傑作ならば何でも許される」を許してはいけないのは、某中国や某韓国で現在も製作され続ける反日プロパガンダ映画と同調とならないよう、鑑賞者も注視したい。

③躍進!「ドリームワークス」
・1994年にスピルバーグらが設立した、新興の映画制作会社「ドリームワークスSKG」。
・1998年は『プライベート・ライアン』にて、アカデミー作品賞まであと一歩。
・翌1999年『アメリカン・ビューティー』にて初の作品賞受賞。
・そして2000年は本作にてアカデミー連続受賞。のちに経営危機に陥ることになる同社の最盛期の作品となる。

④20年前の作品として
当時は先進的と思っていた作品もいまは昔。類似作品が出てきて、スコアも現在基準に補正せざるを得ないが…
〈○: 先進的! ×: 今では御法度!〉

○: CGによる古代ローマ市街の復元
○: 若手俳優ホアキン・フェニックスの
  アカデミー助演男優賞ノミネート
○: ローマ時代・史実ブームの先駆け
×: 誤った歴史認識を危惧する
  ストーリーライン

⑤私的解釈…なぜ作品賞に選ばれた?
他の候補作『エリン・ブロコビッチ』『トラフィック』に比べ、時代にハマった史実アクションの草分け作品だからだろう。

◆アカデミー作品賞 受賞作の中の
 本作のポジショニングは …
★★★☆☆ 芸術性
★★☆☆☆ 社会風刺・メッセージ
★★☆☆☆ ストーリーライン
★★★★☆ 革新性
★★☆☆☆ 演技・演出

★★☆☆☆ 総合評価 (独断と偏見)
・当時は革新的な作品であったが、いまでは、普通のアクション映画。
・ストーリーで唸らせる作品でないと賞味期限が切れるのだろう。
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