むっしゅたいやき

大通りの店/大通りの商店のむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

大通りの店/大通りの商店(1965年製作の映画)
3.8
ヤーン・カダール&エルマル・クロス監督作品。
チェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ期の映画ですが、終盤重く、後を引く作品でした。

物語はスロバキアに住み、ファシストの義兄を持つ男性を主軸に進みます。
商店でのユダヤ人老婆との交流、また終盤の移送・ポグロムに向けた緊張感と主人公の逡巡を丁寧に描写して行きますが、物語が動くのが終盤な為、少々冗長な印象を受けました。

ラストに関しては異論は有るでしょうが私には予想を裏切られた感が強く、主人公の結末も余りに突飛で、当時の検閲を意識した様に感得されます。

ただ映画由来の誇張が有るとは言え、当時共に住まう一般アーリア人達の視点から、ユダヤ人移送やポグロムをどう見ていたのか、また『白いユダヤ人』と称される事への恐怖を知る上で、非常に有意な作品だと考えます。
ラストシーンが少し切なく印象に残る、良作でした。
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