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グッバイ・ジョーのteppeiのレビュー・感想・評価

グッバイ・ジョー(1999年製作の映画)
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自分の体よりも大きなリーバイスの上着とズボン、そしてボロいコンバース。その少年は道端に煙草を投げるともなく捨てる。

夜中に少年がアルバイトから家に帰ると、母親の宝物のレコードの破片がリビングに散乱し、キッチンには頬に氷当てている母がいた。父親はアルコール中毒者だ。
そんな父親のことでも、他人に馬鹿にされると少年はつい手を出してしまう。そして、少年院に入る前、父親が言った「愛してる」という一言は、少年が今まで背負っていた荷物をいくらか軽くした。

この親子の愛は目を細めても見えづらい。しかし、愛とはむしろ見ることができない。それを出来るだけ見えるように表現するのが愛情表現だ。
少年と父親の関係は決して理想的ではないが、甘やかせること叱らないことが愛ではない。それは、自分の都合に合わせた愛情表現であり、自分を甘やかしているだけだ。
子を育てるという意識より、父として人として自分を育てることを意識した方が良さそうに思える。
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