ハミングバード

ニュルンベルク裁判 人民の裁きのハミングバードのレビュー・感想・評価

3.5
終戦記念日にこの作品を鑑賞。ナチス高官オールスターズの実写フィルムは貴重な資料です。しかしながら、戦勝国連合軍のソ連によるプロパガンダ作品であるが故、世界の悪者=ナチスへの罵詈雑言のナレーションが凄まじい。ソ連は如何に世界の悪者に勝利し、ナチスの悪を最初から見抜いていたのはソ連だけというのは今観るとなかなかのものだ。若気の至り以上に“痛い感”。決して友達にはなりたくないタイプだ。46年製作というのも何だか怪しい。第二次世界大戦後70年の世界は、戦勝国のこういった価値と選択された情報により統制されたことを改めて思いしることが出来る作品であり大変興味深い映画です。世界を巻き込んだ世界大戦争は、どの国も多かれ少なかれ残虐行為を行い国益の名の元に勝てば官軍とばかりに正義として正当化し、必要以上に敗戦国のナチスと日本を悪の象徴として世界の見せしめに行った歴史的な二つの劇のひとつです。戦争に負けるとはこういうことなのだろう。
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