【重荷はいらない。】
冒頭のビル・マーレイが列車追いかけ走るスローモーションから主人公でも何でもなかったギャグと3人兄弟の珍道中へ。列車の中の狭い構図ながら窮屈だけどバランスよくカッティングするウェス・アンダーソン。狭い中での動きのギクシャクと感情のリンク性から入れ替わり立ち替わりの暴露とギャグ。問題ばかり起こして列車を降ろされてからの開けた土地で思わぬ出逢いとある決定的な死の体験から回想される過去。うまいこと巡り巡る感情の先に見つけた母と、最後に再び列車を追いかけるスローモーションの絵が冒頭と対になり旅においての重荷を物理的にも精神的にも捨て去っての3人の車内構図は心地よい。そしてエンディングテーマも相まって良い旅をしたのだと確信に辿り着く。
気がつけばフィルマークスで999レビューまで着てしまったな~。