千年女優

ダージリン急行の千年女優のレビュー・感想・評価

ダージリン急行(2007年製作の映画)
3.0
一年前の父親の葬儀以疎遠だった三兄弟で、事故で怪我を負った長男フランシスの呼びかけでダージリン急行でのインド旅行に誘われた、妊娠中の妻とうまくいっていない次男ピーターと最近恋人と別れたばかりの三男ジャック。気まずい雰囲気の中で旅をする彼らが、起こる様々な出来事を経て絆を取り戻す様子を描いたロードムービーです。

風変わりな物語とユニークな感性での画作りが人気を集めるウェス・アンダーソンが、アカデミー賞脚本賞にもノミネートされた『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』にも通ずる壊れた家族関係の再生をテーマにした物語で、オーウェン・ウィルソンやエイドリアン・ブロディらのメインキャストのみならず豪華な端役の出演も話題を集めました。

アンダーソン作品ではお馴染みの「愛しき変人たち」の物語で、「自分探し」や「絆の再生」といった要素を相性の良いロードムービーの形式で引き立てます。行き当たりばったりの展開は作り込まれてはおらず、死を安易に利用しているところはありますが、インドの雑多さが作り込まれた画角とケミカルを生んで列車を終点へ運ぶ一作です。
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