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最高のともだちのhoukousei0domeのレビュー・感想・評価

最高のともだち(2004年製作の映画)
4.8
「アラジンのジーニーの声やってた人って亡くなってたんだね。」
って昨日友達に言われて、映画好きの友達と歯切れのないことを返しながら、その夜自分の中に居る20年分くらいのロビン•ウィリアムズがグルグルした。
フック、ジュマンジ、ジャック、パッチ•アダムス、レナードの朝、いまを生きる、アンドリュー、奇蹟の輝き、聖なる嘘つき…
グルグルして、すごく才能ある人間がこの世から無くなってしまった悲しさがまだ何年経っても全然整理出来なくて、帰り道に泣いた。
アントン•イェルチェンも子役から素晴らしく、映画以外にも海外ドラマ:クリミナル•マインドで自身のサイコパスに苦しむ青年役を演じていて、登場して2秒で役に入り込んでいるその病的な表情と気迫さに惚れ直したし、ターミネーター4でビックネームに出演した嬉しさ、これからどんどん良い映画に出てくれるって思っていた。

凄く複雑な感情がこの映画のストーリーを観た自分にはあり、自分の道徳心や静観さが名前の付けられないその感情のまま涙になる。なので一回しか観ていない。またあの感情を味わいたくない。
終業ベルが鳴って教室から飛び立つ生徒に、清掃の手を止めて笑顔を浮かべるロビン•ウィリアムズの感情を汲み取る術なんかない自分のこの薄汚れた人間性。ベッドの下で母の寝息を確認する為息を殺す少年アントン•イェルチェンの壊れそうな心臓を感じたくない。
素晴らしい役者の才能をアップデートして観れないこの焦燥を胸にして、この映画は見返せない。

だから凄く素晴らしいとかそんな感情が生まれる映画じゃない。
人に薦めたこともない。
でも凄く残ってる。
まだ整理出来ていないけど、また観たい。
その時は違う感想になってるかもしれないけど、映画を観た気持ちって時価があって当たり前、
世の中とか他人のレビューは当てにしなくても良い映画ってあると思う。
自分の中でまた観たいとか心の成長や癒しや奮起になる、そんな映画の一つです。

それにしても惜しい才能たちです。
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