秋日和

モンソーのパン屋の女の子の秋日和のレビュー・感想・評価

モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)
4.5
すっごく好き。ロメールの徘徊癖はこんな初期からあったんだな、と思いながら観た。
女の子の気を引くために彼女の働くパン屋でサブレーを買うなんていう子供じみた行動がいじらしいし、買ったサブレーを店先ですぐに食べてしまう姿もいじらしい(ジャンプカットですら、いじらしさに貢献をしている)。包装紙はすぐに丸めて道に捨ててしまうから、いつか平凡な味のサブレーも捨ててしまうんじゃないかとヒヤヒヤしたし、ヒヤヒヤさせるほど彼は店に通いつめていた。
それにしても、最初は1枚買うだけだったはずのサブレーを、さらっと2枚に増やさせた彼女はなかなかの腕前と思う。彼はそのとき「勝ち」を確信したろうけど、一方で彼女も「勝ち」を確信したに違いない。そんな妄想さえ膨らむ短編。
秋日和

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