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君に逢いたくてのsonozyのレビュー・感想・評価

君に逢いたくて(1995年製作の映画)
3.5
ジェームズ・マンゴールドの監督デビュー作。
サンダンス映画祭 審査員特別賞。

田舎のロードハウス(食堂/酒場)「Pete & Dolly’s」の調理担当の太り過ぎの内気な男ビクター(プルイット・テイラー・ヴィンス)の物語。

亡き父ピーターと母ドリー(シェリー・ウィンタース)が始めた小さな店は、母、ビクター、ウエイトレスのデロレス(デボラ・ハリー)で回していて、デロレス好きのアル中レオ(ジョー・グリファシ)が常連。

ある日、大学を中退した美少女カリー(リヴ・タイラー)がウエイトレスとして働くことになる。
カリーにはジェフ(ロックバンド「レモンヘッズ」のエヴァン・ダンド)という恋人がいるが、ビクターは静かにカリーへの恋心が広がっていく・・・

ふわっとした邦題は置いておいて、原題が『Heavy』なだけに、色々と重い作品です。
ビクターの体重は250ポンド(113kg)前後。
この田舎や店に流れる空気・閉塞感。
ビクターが抱える葛藤・哀しみ・孤独感も、15年勤めてるデロレスやレオも、人生に悩むカリーも、そしてサウンドデザインも重め。

プルイット・テイラー・ヴィンスは『海の上のピアニスト』にも出演してましたが、不随意の眼球運動をしてしまう“眼振(眼球振盪)”という病気を抱えている方で、彼の心情がその眼の動きも相まって沁みます。

まだデビュー間もないリヴ・タイラーももちろん魅力的。あの態度されたらビクターがますます惚れてまうやろー!になっちゃうのも当然。笑
ビクターの妄想に出てくる彼女も良かった。
彼女の魅力が炸裂する『エンパイア・レコード』は本作と同年公開作なんですね。
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