うにゃ

ザ・バニシング-消失-のうにゃのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

当時、仕事が忙しくてやっとの休み、この映画を観にいくんだと楽しみにしていたら、職場から休みの人が出たから代わりに出てくれないかと連絡が。こんな時はお互い様。泣く泣く仕事へ。ミニシアターだったので、すぐに終了してしまい観れず。やっと観れた。


観終わった後に、この映画の偶然の連続や、全てにおいて恐怖を感じる。

旅行中の車中で、サスキアが夢の内容、孤独な金の卵の事を話す。軽く受け流すレックス。

トンネルのシーンはとても印象的だ。
大きなトラックが通る。
暗闇の中、置いていかれるサスキア。
レックスはガソリンを買って戻るが、サスキアは車にいない。
暗いトンネルを抜けた先に光さすサスキアが待っている。観ながらホッとする。
正直、緊急事態にあんな態度の彼氏、しかも激突されるかも!と言いながら彼女を置いていくなんて、その時点で別れる案件。しかし、仲直りしてしまう…。

サービスエリアに到着する2人。
そこには、何やら怪しい男がいる。
サスキアは、ビールとコーラを買いに店へ向かう。
レックスが車でサスキアを待っていると、先ほどの大きなトラックが通る。
行方不明になるサスキア。
探しまわるレックス。
子供が「パパ!」と道に落ちていたビールを拾い持っていく。その側には潰れたコーラの缶。その後、レックスはそこを通り過ぎる。子供がビールを拾っていなければ、気づけたかもしれない。
この時点では、怪しい男もトラックも全てを疑ってしまった。

しかし、すぐに怪しい男ルモンのパートになる。
結局この人が…と思った矢先、家族持ちだと言う事が発覚。
そして、山荘で周りに悲鳴が聞こえるかどうか、家族で試す。
どうやったら誘拐できるか練習と失敗を繰り返す。ゾッとする。
娘からプレゼントされたアルバムを見て誘拐のヒントを得たり、いざ実行する日に娘からプレゼントされた服を着ているのもおかしい。全てがおかしい。

3年後のレックスのパートになる。
まだサスキアを探していた。
そんなレックスにルモンが接触する。
観ている私もレックスと同じようにサスキアに何が起こったのか知りたくてたまらなかった。
レックスの葛藤が辛い。

そして悲劇が起きる。
叫んでも聞こえない事は、ルモンのパートで分かっている。観客は絶望。
ライターの炎が小さくなる。
居なくなる前のサスキアからライターをプレゼントされていた。そんな事を思い出す。

その後、山荘で家族と共に過ごすルモン。地面を辿って映った顔が怖い。

その後映る新聞も、夢の中の金の卵。

この映画は何度も観るべき作品だと思った。よく出来ている。
うにゃ

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