トールキン

アンドリューNDR114のトールキンのレビュー・感想・評価

アンドリューNDR114(1999年製作の映画)
3.8
「ターミネーター2」では人間の心を理解したロボット。今作では知性を身につけてやがて人間になりたいと望むロボット。
ストーリーが進むにつれてその思いが徐々に膨れ上がっていき、それは愛情によるものであってしかしそれが望んでも叶わないものであり、何とも複雑な思いになる。

良くも悪くも人間という生き物が生きることで自分の人生を全うするということ。いずれは亡くなってしまうけどそれが人間の命の尊さというもの。
ロボットは無限に生きられるが人間の生きる道は限りがあり、いずれは別れが来てしまう。自分にとって大切な身近な人たちが一人ずつ逝ってしまいながらも自分は無限に生きられるというロボットとしての歯痒さを嫌でも感じてしまう。

さらに人間としての感情、五感、性質、それらによる人間らしさ。ロボットが思う人間らしさとは何か。その人にしかない唯一無二のその人の人間らしさ。それに惹かれるものがあってさらに感情や思いが高まる。人が人に寄せる最大の思いが「愛、愛情」なんだな、と改めて思わされるようなテーマ。そんなラストがめちゃくちゃグッときた。そこまでして人間になりたかったのか、と壮大さや、ロボットとしてではなく人間としての尊さを感じてしまう。それをラストに持ってくる演出が良かった。
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