むっしゅたいやき

むかしむかしのむっしゅたいやきのレビュー・感想・評価

むかしむかし(1922年製作の映画)
3.8
カール・Th・ドライヤー。
我儘王女の教育。

本作は元フィルム毀損の為、一部スチルと字幕を充てたデジタル修復版である。
テンポの乱れやストーリーの飛躍等、其の弊害への補完が鑑賞者の想像力に要請される為、評価の分かれる作品であると言えよう。

物語に就いては所謂「魔法のランプ」の類型に属する説話である。
為に今回特段には言及しない。

映像に関しては、北欧の陰影の有る森を背景にし白いロココ調のドレスをより優雅に映えさせる、又、清貧な小屋での生活は黒を基調とした画面構成で、豪華な宮殿での白基調の構成と対比させる等、モノクロの特性を非常に巧みに使ったものとなっており興味深い。
巨匠と謂われる所以であろう。

一般受けはしない作品であろうが、ドライヤーがその生涯に於いて唯一作製したお伽噺劇である。
機会があれば、抑えておきたい映像劇である。
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