川に怖いものはいない
小さな魚がいるだけよ
ジョーダンテ『ピラニア』の1回目のリメイク作。製作には再びロジャーコーマンが名を連ねている正統リメイクではあるんだけど、あまりにも何から何まで同じだったので笑った。これは良いのか…😅ガスヴァンサントの『サイコ』ほど完コピではないけど、シーン流用までしてるのはさすがのエコ精神!
時代に合わせてベトナム戦争終結から冷戦終結へと背景は変更されているのですが、改造ピラニアたちが作られ隠蔽され放置されたという設定はそのまま引き継がれている。それ以外にも、キャラクター配置・ストーリー展開・セリフに至るまでほぼほぼオリジナルと同じ。
だから安定した面白さはあるのですが、テレビ用映画だし同じくコーマン製作なんだからダンテ版をテレビで流しとけば良いんじゃいの?とか思っちゃう。
オリジナルとは違って、映画監督を目指してるエロいCM監督が出てくるんだけど、アジャ版『ピラニア』はこの要素を取り入れたのかな。このキャラ周辺はコメディな雰囲気が漂ってたし、そう考えるとダンテ版とアジャ版の橋渡し的な位置づけとして本作を見ることもできるように思えて興味深いです。
弧を描いた先の腐乱死体というオリジナルで一番好きだったシーンが無くなっているのは残念だし、その後の逆転の演出もダンテとは比べものにならないくらい薄い。そしてバーバラスティールが言うからこそ補強されたメッセージが違う立場の人に言わせることで意味合いが薄まってしまう(というより別方向に行ってしまう)のは改変と言われればそれまでだけど、オリジナル設定を引き継いでいる以上チグハグ感が否めない。
でも『殺人魚フライングキラー』よりは好き😅