みゅうちょび

白い記憶の女のみゅうちょびのレビュー・感想・評価

白い記憶の女(1988年製作の映画)
2.6
何十回も繰り返し観た。テレビ用の作品なので、確かにテレビ映画を超えてはいない。原題はThe Girl In A Swing ブランコの少女。

けど、メグ・ティリー演じる主人公のカリンが美しくて愛らしくてエロティックで悪魔的で哀しくて切なくて、彼女を見るためだけでも何度となく見た。

残念ながら国内で本作を見る手段はなさそう。

ウォーターシップダウンのウサギたちの原作者が書いたこのエロティックゴーストストーリー。原作も取り寄せて読んだほど好きでした。

イギリスで骨董商を営むアランは、出張先のコペンハーゲンの取引先でドイツ語に堪能な秘書を紹介してもらう。それがメグ・ティリー演じるカリン。彼女がアランの目の前に初めて登場するシーン。階段から覗く品の良い純白のレースのワンピースの裾、細く引き締まった脚、スレンダーで小柄な肢体に艶やかに濡れるような黒髪。少女のような悪戯っぽい笑みと挑発的な眼差し。
アランが一目惚れするのは無理もない。

デートに誘っても送り迎えを拒み、いつものバスで1人帰って行く。

短期間に当惑する彼女をデートに誘い、会えば会うほど彼女の魅力に抵抗できないアランは、仕事が終わり帰省することになっても去ることが出来ず、遂には結婚まで申し込んでしまう。

それまでのエピソードは、小悪魔のようでなにか物悲しいカリンの謎めいた行動に心を揺さぶられるアランの鼓動の音が聞こえてきそうです。

カリンは、アランの友人や両親たちからも妻として申し分ないと評され、周囲はみな彼女に魅了されてゆくが、ロンドンで暮らし始めた彼女は何かに怯えはじめる。

テレビ映画の域を出ないながら、この作品がこんなにも一部の観る人を魅了してしまうのは、やはりメグ・ティリー演じるカリンの美しさ艶めかしさと、絶望的なまでに彼女を愛するアランの2人、そして彼らの背景となる風景の美しさにあるのかなと思います。

幽霊が登場するなど視覚的な驚きはありませんが、終盤で海の波に浮かぶ亡霊の姿は今でもはっきりと記憶しているほど、ぞっとしました。

随分前に、本作をYouTubeで見つけて、メグ・ティリーファンのレビュアーさんとシェアしたことがあります。
その方もやはりメグ・ティリーの美しさに酔っていらっしゃいましたが、久し振りに観て、尚且つ最後まで見入ってしまいました。

家には、VHSがあるもののプレイヤーはもうないため、なんとかできないかとらやきもきしています。
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