ボブおじさん

ファイナル・カウントダウンのボブおじさんのレビュー・感想・評価

3.5
もしも米軍の最新鋭空母がタイムスリップし、真珠湾攻撃前日のハワイ沖に到着したら……。この奇抜なワンアイデアをリアルな戦闘描写で描いた1980年公開のSF戦争映画。

監督は「新・猿の惑星」や「ドクター・モローの島」など娯楽映画の職人と呼ばれたドン・テーラー。

「戦国自衛隊」を思わせる荒唐無稽なタイムスリップ戦闘アクションだが、実際の歴史的事件と実在の最新鋭原子力空母を登場させることで、誰もが考える夢の対戦に落とし込む着想は面白い。

戦争映画と考えると物騒だが、スポーツファンなら一度は考える世代を超えた夢の対決やチーム編成。

もしも大谷とロジャー・クレメンスが、山本とバリー・ボンズが対戦したら?
もしも今の日本代表に全盛期の中田英寿や中村俊輔がいたならば?

なども空想したことのある人は多いはず😊

この映画は、もしも零式艦上戦闘機が原子力空母ミニッツと戦ったらという時空を超えた空想を映像化するために、戦争映画にSF要素を入れ込んだという訳だ😅

戦争映画のノスタルジーとSF映画のワクワク感を子供騙しにしていないのは、ズバリ、この映画の本気のキャスティングだろう。

この映画は1980年の日本公開。従ってマイケル・ダグラスではなくカーク・ダグラス。チャーリー・シーンではなくマーチン・シーン、そしてヒロインはキャサリン・ロスである。この大真面目なキャスティングが映画を単なるファンタジーではなく大人の鑑賞に堪える映画にしている。

タイムスリップが叶えてくれた夢の対決を娯楽映画として楽しめるかが、この手の映画を観るコツだろう。


〈余談ですが〉
公開時に劇場で観た時は、まだ16歳の高校生だった私も、今月末で60歳となる。いよいよ還暦への「ファイナル・カウントダウン」…。


だが、その時突然の嵐に巻き込まれ気がつけば何と何と‼︎「シックスティーン・アゲイン」とはならないか😅