犯罪王キングピンに仕えるニコラス・ナチオスの娘で、盲目のヒーロー「デアデビル」ことマット・マードックに出逢ったために非業の死を遂げたエレクトラ。マードックの師でありその才能を見込んだスティックの手で蘇って正義の特訓を受ける彼女が、かつての自分を思わせる少女とその父抹殺指令に苦悶する様を描いたヒーロー映画です。
批評は散々でもそれなりの興収を記録した20世紀フォックスのマーベルヒーロー映画『デアデビル』のスピンオフとしてテレビドラマで活躍していたロブ・ボウマン監督で制作した2005年公開作品で、MCUの『デッドプール&ウルヴァリン』参戦も囁かれるジェニファー・ガーナー演じるヒロインを描きますが、批評・興行共に伸び悩みました。
修行から描くヒーロー誕生物語は同じ年に公開された『バットマン・ビギンズ』にも通じるものの予算はその三分の一ということもあって出来栄えは比ぶべくもなく、前作同様にもっさりとしたアクションでお茶を濁します。お話運びにも工夫がなく子供騙しですが、東洋のエキゾチックさを活かした目を引く一瞬がないわけでもない一作です。