爆裂BOX

殺戮職人芝刈男の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

殺戮職人芝刈男(2003年製作の映画)
3.5
ゴルフコースの整備士としてうだつの上がらない日々を送るアレンは、ある夜を境に、男が芝刈り機を振り回して殺戮を繰り広げるという恐ろしい夢を見始めるようになり…というストーリー。
タイトルだけで合格点を上げたいB級ホラーファンにはお馴染のアルバトロス・コアが放つスラッシャーホラーコメディ―です。
脚本家を夢見ながら、ゴルフ整備員として働き、ヒステリックでビッチな彼女に罵られながらうだつの上がらない日々を送るダメ男アレン。彼はゴルフコースの整備士の姿をした男が殺戮を繰り広げたり、顔面が焼け爛れた男が現れる悪夢に悩まされる日々を送っていましたが、彼女に頼まれて彼女の友人達や密かに片思いしているウェイトレスと共に深夜のゴルフ場に忍び込んでパーティを開くも芝刈男姿の殺人鬼に次々殺されていくという内容です。
殺人鬼が芝刈男というだけあって「バーニング」のバンボロみたいな芝刈バサミやゴルフクラブにピッチング装置に釘混ぜて発射したり、ティーホールカッター犠牲者の体に突き立てて穴開けて旗立てたりとゴルフ場の道具使った殺害シーンがユニークでした。ただ、目立ったゴア描写は無かったかな。プールでバカ男殺されるシーンは「ローズマリー」彷彿しました。殺人鬼の見た目は整備員のツナギ姿に虫除けネットで顔隠してるという格好ですが、インパクトはなかったかな。犠牲者を追い掛けるのにゴルフカートに乗って追い掛けてくるのは面白かったですが。
前半は犠牲者一人だけで大した事件も起きず、主人公やバカ者たちの日常描くだけで退屈ですが、後半に入ってからはそれまで溜った鬱憤晴らすかのようにテンポよく殺しまくってくれるのは良いですね。
オネエ系の警官が通報受けた時にSMプレイ中で全く役に立たなかったり、劇中で皆が熱心に語る本当にくだらなそうなB級ホラー映画「ミルクマン」などの要所で挟まれるコメディ感も個人的には楽しかったですね。
イロモノかと思ったら「殺人を繰り返す芝刈男の正体は誰か?」という謎を引っ張って殺戮が一段落して真相が明らかになる終盤で伏線回収したりと結構サスペンスもちゃんとしてました(あくまでもZ級ホラーとしてはだけど)まあ、犯人は分かりやすかったですね。しかし動機が明らかになると殺されたバカ者達とばっちりすぎる…
主人公は本当に冴えない感じで、結局最後まで活躍らしい活躍しなかったな。最後も同僚が決めてくれたし。
実の父親が死んだ直後にあんな笑顔でキスする神経も凄い。
後半はずっと夜のシーンなのに明らかに朝のカットが挟まれるのは単純にミスなのかな?
このタイトルからハードル下げて観ましたが、結構楽しめたスラッシャーホラーでした。