アルフレッド・ヒッチコック監督、初期のサイレント映画。(購入DVDで鑑賞。)
冒頭、「これは親友への誓いを誠実に守った学生の物語である」というテロップが出て、物語が始まる。
ロディなる男子学生は、ラグビーの名プレイヤーであり、学校でも主席となるほどの万能な男。そんな彼が、ある女性から窃盗の濡れ衣をきせられて退学処分となる。
ロディはロンドンの実家に戻るが勘当されてしまう。
彼は、失意のうちに社会に放り出されてしまうのだった……という、まさに下り坂(ダウンヒル)の物語。
ただ、ダウンヒルばかりかと思えば、そうでもなく、彼は美しい女優と出会って、一緒にパリに移り住んだりしていくあたりは、ロンドンからパリへ風景が変わり、華やかさが画面に広がる。
印象的だったのは、男子学生が酒場で女性と「微妙に揺れる縄のれんを背景にキスするシーンを影で描いた場面」である。
また、女性の顔にネオンがオーバーラップするあたりは、初期のヒッチコックが好んで使った手法。
ヒッチコックらしさが出ている監督作品であった。