黒死病を運ぶ者。
モノクロに染色を施すだけで、場面の切り替え、時間の経過を知感出来る効果が大きいのは分かった。
オルロック伯爵の外型的特徴はドラキュラと認識されているものよりはむしろ、今日のヴァンパイア類に属するものに近い。
大きな体躯、Bald、大きな手と爪、鉤鼻。
サイレント時代ならではの分かりやすいストーリーと、大げさな演技とメイク。
なんといっても1922年当時のドイツやスロヴァキアの歴史的建造物が観られる事が素晴らしい。
登場人物の内、その立ち位置がよく判らなかったKnockは、レンフィールドという事だったらしい。
元々オルロックの下僕で、ドイツの町ヴィスボルグに棲まう準備に送り込まれていたという事で、印象的な塩倉庫ザルツシュパイヒャーを邸宅とするセンスも光かる。
欧州における最後のペストの流行がこの時期だったので、タイムリーでもあったのだろう。