まりぃくりすてぃ

ハロー!?ゴーストのまりぃくりすてぃのレビュー・感想・評価

ハロー!?ゴースト(2010年製作の映画)
4.1
開始25分間ぐらいずっと …おもしろぉぉぉぉ〜い!

そのあと(カメラ捜すところから) …秘密めかしすぎ。中だるむ。見甲斐ナシかな。。

終盤 …目がびしょびしょになったぁぁぁぁ〜!!!!


いろんな霊に乗り移られたところなんか、このコ、主演男優賞に値する♪

でも、
「生まれる時はひとりだろ」って言わないで。松たか子(竹内まりや)も似た言葉を唄ってたけど、、人は、産まれる時は、お母さんと必ず一緒だよ! 一緒に頑張ったんだよ!
その…ひとりじゃなさを、忘れなければ、世界のすべての人と愛し合える未来を、夢見続けることができる。かも! (おっと、偉そうに🤭)

あー、それよりさ、、
これは信頼できる映画ではない。
エンタメなんだから涙腺攻めのためなら何をやっても構わない?
「○○施設で育つ間に、周囲からどんな情報が本人に渡っていたか」「どこかで見た顔な気がする。これも、あれも」といった必然性をひたすら隠されて、いくらいっぱい泣かされたって不信は消えず。
不誠実映画。

いっそ、正々堂々、最初からすべてを晒して物語を進めたほうがよかったのでは?? 知らないのは主人公だけで、観客はみんなわかっていじらしさを観てる、とか。


例えば、次の二つを比べてみて。


交際数年の恋人に、三月末日に「仕事で忙しくてしばらく逢えなくなるから、明日ディナーしない? 二人の将来について、とても大切な話をしたいんだ。途中、退屈させちゃうかもしれないけど、どうか明日だけは、お店の閉店時刻までつきあって。ゆっくりできる機会がしばらくないから」と言われてOK。
翌晩土曜、期待と覚悟でオメカシして、店に入るなり彼からも「将来のこと、あとでちゃんと話すからね」とあらためてまっすぐ言われ見つめられ、いいキブンで美味しいもの飲み食べして歓談。
そのうちに彼が「じつはさ、転勤でパリ行きが決まったんだ💖🇫🇷 一戸建ての広い家に住めるんだってさ」と海外なんかとは無縁な会社勤めなのに言い出して、ははぁん、エイプリルフールね、とわかって、私のほうも適当に楽しく馬鹿話に合わせる。
さらに「宝くじで百万円当たったし」とか「最近、うちの母方の系図が出てきて、祖先はフィンランド人なんだって」とかどんどん荒唐無稽になっちゃって、そろそろ眠いし帰りたいな…「大切な話はもう済んだ? ここの閉店って何時よ?」とイライラし始めた私に、「もうすぐだよ。ごめんね…」とソフトなだけの返事。
そして、なおもとりとめなくお喋りして、12時を回って数分後、彼氏がそれまでと違うまじめな笑顔になって、姿勢も正して、「やっと日付が変わった。今夜つきあってくれて本当にありがとう。しばらくゆっくりデートできなくなるから、どうしても、今からのこと、今夜のうちに言いたかったんだけど、四月一日にこんな大切なことを言い出すのはどうしてもイヤだったから……。地味な感じでごめんね……」と、おもむろに指輪💍の包みを出される。
泣かされてしまう。


同じく交際数年の恋人に、三月末日に「明日、ぼくの馴染みの店で逢おうよ。たった一人しかいない親友も来るから、ちょっとだけ紹介したいんだ。ただ、いいやつだけど、怒りっぽいところもあるから、時たま喧嘩とかになる時もあるけど、全然悪気ないから、君は何かあっても途中で帰らないで。これだけは約束して」「うん、いいよ」
そしたら、翌晩土曜、お店には他に誰も客いなくて、美味しく飲み食べ。それはいいんだけど、、
店の女主人に変にデレデレする彼が、そのうちに「ねえ、ママ、綺麗だね。ぼくらと同じぐらい若いよね」とか変すぎる発言をし始め、「酔ってるの?」と私が心配しても知らんぷり。ついに立ち上がって彼は、「ママ、ぼくと結婚してくれる?」とか狂う。私は真っ青というか真っ赤になって、、そこへ、親友というのがやって来て、私の彼とママが抱き合ってるのを見て「えっ? えっ? いきなり何だ? このママは俺の女なんだけど。おまえ、何のつもりだ!! わーっ!!!」と彼に殴りかかってダウンさせ、さらに懐から〈硫酸入り〉と印字されたビンを出して「おまえが俺のカノに失礼なことしたから、俺はおまえのカノにこれを振りかけてやるぜ!」と私の腕を掴む。私は泣いて悲鳴!!
倒れていた彼が「頼む! 彼女にかけないで、かけるなら俺にかけてくれ!」「じゃあ、おまえにかける」ザバッ。私は「ぎゃああああああっ」と失神しかける。
そしたら、びんの中身は水でした。
床に座り込んでしまった私に、なぜかその場の三人は、ほほえみかける。親友とママは、クラッカーを炸裂させ、「ハッピーエイプリルフール!」と彼氏とともに大笑い。
声を失っている私に、「今夜は、ママに特別に頼んで、貸し切りにしてもらったんだよ♪ トモダチの演技力も、なかなかでしょ」と懐から指輪💍の包みを出して、私に開けさせた。
「あ、今もう、12時過ぎた。エイプリルフールは終わりね。こういうの欲しかったでしょ? ぼくと結婚してください。きっと一生幸せにするよ」…ママと親友は、拍手の態勢。花束も。
私は、私は、、、、、、、、こんなやつと結婚しちゃってもいいんだろうかと不安と不信が出会い以来初めて膨れ上がって、、、、、、、膨れすぎて、、、ゴメンナサイの言葉を用意。


何事も、まず信頼が大事。サプライズとかそういうことよりも。人の感情を意のままにするあざとさよりも。
ってこと。
楽しめたでしょ、いっぱい泣いたんでしょ、巧かったでしょ、魅力あるでしょ、とか? それはわかったから。
肝心なところが違うんだよね。この映画からは、魂の指輪💍をもらいたくならない。こういうセンセーショナリズムのドラマばかり作って私たちに消費させていると、ドラマ文化そのものが結局は弱っていく。(エスカレーションと麻痺との関係によって。)

ともあれ、本当におもしろかったし、ラスト20分間ぐらい泣きっぱなした。