Jeffrey

パーティを破壊せよのJeffreyのレビュー・感想・評価

パーティを破壊せよ(1957年製作の映画)
3.0
「パーティーを破壊せよ」

本作はポーランドで、ロマン・ポランスキーが約8分間のモノクロで撮った57年の短編映画で、正装や仮装した学生たちが続々と来場するパーティー会場を舞台に、柵の外では、することもなくその光景を眺めている不良たちが写し出され、彼らは受付に入れてもらおうとするが、招待状がないため断られる。不良たちは柵を越えて乱入し、パーティーははちゃめちゃとなってお開きとなる。今でこそサッカー観戦を名目に暴れる連中として定着したフーリガン(チャーリー・ハナムとイライジャ・ウッド共演でフーリガンと言う英国映画がある)。しかし50年代のポーランドには戦後の社会情勢の悪化等によって行き場をなくした若者たちが暴徒と化すことが多かったそうだ。50年にPWSFを首席で卒業して、その後「パサジェルカ」(アートシアターギルド配給の作品で監督の事故死によって未完成の40分程度の映画)等の傑作を発表した当時のポーランド映画界の巨匠アンジェイ・ムンクは57年から母校でも教鞭を取るようになり、ポランスキーも彼に学んでいた事は有名だ。彼はムンクに自分が学年末パーティーでの騒動をモチーフにした映画にすることを伝えるが、彼はそれは感心しないと言ったそうだ。しかし、ポランスキーはウーチの学生たちを集めて学校の庭でパーティーを開催。そこにクラスメイトの撮影クルーを配置し、知り合いだった本当の街の不良たちを雇って騒ぎを起こさせたところを撮影。撮影後は、機材も破損し、けが人も続出し、学校から放校寸前となるほどの厳重注意を言い渡されたそうだ。なんともポランスキーらしい。
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