あらすじ
「砂漠にそびえ立つ柱の上で、レタスだけを食べ、日々神に祈りを捧げているシモン。悪魔の誘惑を断固拒み、6年と6週と6日もの間修行に励む彼は、一段と高い、天国に近い別の柱に移り新たな修行を開始する…」
なんという胸アツ設定。
しかもこれ、実話。
このお方、柱の上に世界一長く座り続けた人物としてギネスブックに掲載されているんだそうな。これは、5世紀のトルコ南部にある地中海に面した一地域「キリキア」に実在した草食系男子「登塔者シメオン」の物語なのです。
私なんか、レタスにはピエトロかけて食べちゃうので、シモンの苦行の凄まじさがなんとなく分かるのです。
それにしてもレタスだけ…
ああ…想像しただけで切なくなる…
もしこれがサラダバーだったらどうなるんでしょうか。
やってみましょう。
「砂漠にそびえ立つ柱の上で、サラダバーだけを食べ、日々神に祈りを捧げているシモン…」
なんというファミレス感。砂漠のシモンさんが一気に身近な存在に!一見貧乏そうな印象を受けますが、サラダバーのバリエーションは意外に豊富なので、俄然、満足感が得られそうな食事に変わりましたね。
シモン「足りないな。おかわりしよう。ワカメつけちゃおうかな。ヤングコーンもいいね。ポテサラも捨てがたいけど小皿に入りきらないから何か諦めないと…オニオンスライスを減らそう。ドレッシングはそうだな、シーザードレッシングがいいな。青じそは次のおかわりで」
迷いが…煩悩が見える…
これじゃあ多分悟れない。
では、これではどうでしょうか。
「砂漠にそびえ立つ柱の上で、サラダバーなのにレタスだけを食べ、日々神に祈りを捧げているシモン…」
これだ!!一切の迷いを捨てた感が出てる。何らかの宗教上の理由でレタスしか食べられない感じとか、ハンバーグを食べる子供たちの横でダイエットするお父さんの哀愁すら醸し出ています。
( ゚д゚)ハッ!
すごいことに気付いてしまった。
これ、どんな人でもファミレスで悟れるんじゃないのもしかして?
悟れる
悟れますよこれ
明日以降、ファミレスでレタスばかり貪り食うお父さんを見かけたら、それ多分私なのでそっとしておいてください。なんか観る前にお腹いっぱいになりました。レタスで。
これは『アンダルシアの犬』のルイス・ブニュエル監督の作品です。絶対に普通じゃない。
これほどまでに感謝の気持ちを溢れさせながら、人がレタス食べるところを見たことが無い。
シモンさんは、ごく普通のことのように奇跡を起こします。
さすが砂漠の。
食料や排便の疑問なんかも徐々に明らかになってくるので安心して下さい。
やがて悪魔がやってきます
悪魔vsシモン
神に仕えるシモンには悪魔も直接手出しできません(結構物理攻撃食らってましたが)
それに、悪魔は撃退しても無駄です。一旦は捨て台詞残して立ち去りますが、そのうちまたやってくるです。(なんかタラちゃんみたいな語尾になっちゃった。訂正はしません。ルノアールのことばを実践してみました)
何がすごいって、最後の誘惑がすごい
すごいスピードで登場する
でも糸見えた。糸で引っ張ってる感じが見えた。
そんなの見たくなかった
気を取り直して続きを観てみましょう
どうやら今回の誘惑は一味違うぞ…
と思っていたら…
一気にぶっ飛んだ。
(;゚Д゚)
唖然としました。
詳しくは言えませんが、これだけは言えます。
その衝撃は
核弾頭級でした
ルイスさん、ただ者ではないな…もしかして?