magic227

さらば愛しき女よのmagic227のネタバレレビュー・内容・結末

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

物憂いジャズが流れる霧のロサンゼルス、瞬くネオンサインとバーボンのボトル。この作品の魅力は何と言っても気怠くノスタルジックな甘いムードです。映画が始まり主人公のモノローグが流れ始めると、そこはもう1940年代初頭のロサンゼルス、私立探偵フィリップ・マーロウの事務所から物語は始まります。主人公を演じるのはロバート・ミッチャム。この人が良いんですよね“スリーピング・アイ”と呼ばれる独特のいつも眠たそうな目。タフでクールだけれど、センチメンタリズムもちょっぴり感じさせる私立探偵役にこの目がぴったりきます。そして事件の鍵を握る魔性の女にシャーロット・ランプリング。この女優さんも魅力的な妖しい目の持ち主です。ハードボイルドの巨匠、レイモンド・チャンドラーの小説は、これまで何度も映画化されていますが、原作の持つ味わいを最も良く表現しているのは本作でしょう。デイヴィッド・シャイアの音楽も秀逸、バーボンのグラスを片手にゆったりと楽しみたい映画です。
magic227

magic227