すずす

ニューオリンズのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ニューオリンズ(1947年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

音楽映画の掘り出し物!
ニューオリンズからシカゴへ、ジャズ草創期を背景に、若きオペラ歌手とナイトクラブ経営者の恋を描いた、音楽ドラマ。サッチモ、ビリー・ホリデーの歌も満載で、お得感あふれる90分。

映画の原型はオーソン・ウェルズが『イッツオールトゥルー』でルイ・アームストロングを中心に、ジャズの歴史を描こうとしたことらしく、本作も全米ジャズ協会の推薦の下、制作され、サッチモ以外にも、名だたるバックミュージシャンが自身の役で出演し、演奏を聴かせてくれます。

脚本家が、ハリウッドテンとして投獄もされたハーバート・ビバーマンだけあって、内容は進歩的、民主的で、心地よい筋運びとなっています。

ミシシッピを追い出された主人公はシカゴに行き、カジノを開設しようとするがギャングの妨害でダンスホールに転換し、ミュージシャンを呼び集めるパートが興味深いです。ミシシッピ川沿いに発展したと云われるジャズの歴史を踏まえた設定となっています。

90分にギュッと詰め込まれた物語はやや窮屈ですが、ビリーホリデイ唯一の映画で、サッチモが本人役で何曲も歌を披露するのも貴重の映画です。
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