ゴン吉

フライトプランのゴン吉のレビュー・感想・評価

フライトプラン(2005年製作の映画)
4.1
国際線の旅客機の機内で娘が消えた母親の奮闘を描いたミステリースリラー作品。
ジョディ・フォスター主演、ピーター・サースガード共演。

飛行機の設計技師でもあるカイルは、ベルリンで夫を転落で亡くし、6歳の娘と一緒に夫の棺と共にベルリン発ニューヨーク行きのE-747 ジャンボ旅客機で帰国の途に就く。
しかし機内で寝ている間に娘が消えてしまう。
機内を探してもどこにも見つからない。
乗客や客室乗務員は誰一人娘を観た記憶が無く、乗客名簿にも娘の名が載っていない。
機長が調べた結果、娘は夫と共に転落死していたことがわかる。
はたして娘と一緒に飛行機に乗った記憶は妄想だったのか?
それとも……  

雪の降るベルリンを舞台に夫の棺ととともに静かに物語が始まる。
しかし娘が消えてから緊張感が走る。
ヒロインである主人公が、飛行機設計技師という役柄を生かして、機内のあらゆる場所に対して娘の捜索が行われる。
普段は見ることのない機内の知られざる場所を観ることが出来て勉強になった。
終盤は娘を見つけるためには何でもする半狂乱状態の母親と、まさかの展開にハラハラです。
ツッコミどころは沢山あるものの、ジョディ・フォスターの熱演に引き込まれる作品でした。
沢山の乗客がいる中での彼女の独演が楽しめます!

一方、何か問題が起きると先ずはアラブ人を悪者に仕立てるアメリカ。
世界の警察のフリをしながらも、その裏では.....
本作品は、まさに現実のアメリカを投影した縮図を描いており、さりげなくアメリカを皮肉っている。
本作品でメガホンをとったロベルト・シュヴェンケ監督は、自身作の「RED」でも、ロシアのスパイよりもCIAの方が悪どいことを描いていり、本作品との共通点が感じられるのが興味深い。
よく出来た作品です。  

2022.4 地上波フジテレビで鑑賞(ミッドナイトシアター・字幕:戸田奈津子)
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